私が好きになったのはどっちなの?
3、優しく見守りたい
「なんか蓮先生、餌付けしてません?」
 花梨ちゃんにピザを食べさせていたら、土方がそんなつっこみをしてきたので、ニコッと微笑む。
 今日は仕事が終わった後、花梨ちゃんを連れて叔母の麻里さんの店にやってきた。
 ここは俺がホッとできる場所。仲のいい同僚が仕事が終わると集まってくる。
 そんな馴染みの店に看護師で連れてきたのは、花梨ちゃんが初めてだ。
「あっ、わかる? やっぱ大事に育てていかないとね」
 俺を見て媚を売らないところが気に入っている。
 俺は青山蓮、三十三歳。青山総合病院に勤務している脳神経外科医。
 ちなみに父が院長で外科医、双子の弟が救急医だ。
 我が家は代々医者の家系で病院を経営しているが、物心ついた時から周囲に『僕は医者になる』と宣言していた弟の樹と違い、俺は医者になる気はまったくなかった。
 いや、正確には父のことが嫌いで、医者になりたくなかった。
 病弱な母がいたにもかかわらず、滅多に家に帰ってこなかった父。ずっと病院に寝泊まりして仕事をしているのかと思ったけど、違った。
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