私が好きになったのはどっちなの?
同じ双子でも樹は小学六年生くらいまでは俺より体が小さく、また内向的だったこともあり、母はいつだって気にかけていた。俺も兄という意識が強かったから、自分が盾になって樹を守っていた。
『チービ、チービ』とクラスのいじめっ子に馬鹿にされていた樹。
『樹をいじめるな。俺が相手になる』
ギロッと睨みつければ、樹をからかっていた連中は俺に怯んで逃げていった。そんな俺を、樹は尊敬の眼差しで見ていたっけ。
『蓮はすごいな。みんな逃げちゃうんだから』
中学生になると俺たち兄弟の体格差はなくなって、樹もあまりいじめられなくなったが、内向的な性格は変わらなくて安心はできなかった。勉強はできるけど、なにかに没頭すると周りが見えなくなるし、コミュ力もなくて女の子も苦手。
バレンタインに女の子が差し出したチョコをスルーする樹に代わり、『あいつ、チョコ苦手でゴメンね』と何度俺がフォローしてきたか。