私が好きになったのはどっちなの?
お酒を断らなかったし、美味しそうにシャンパンを飲んでいたからてっきり結構いける口かと思っていたのだが……。
「……酔ったって?」
俺の顔を見ずに花梨ちゃんが聞き返してきて、マズいと思った。
目を閉じかけているし、これは今にも寝そう。
「ちょっ……花梨ちゃん、寝ないで……」
多分、隣駅の寮に住んでいるのだろうが、どの部屋かはわからない。
俺の願いも虚しく、彼女は壁に寄りかかって寝始める。
「花梨ちゃん、寝ちゃったんだ? かわいいですねえ」
土方がハハッと笑うが、笑い事ではない。
「参ったな。花梨ちゃん、起きて。送ってくから」
諦めずに声をかけるけど、起きる様子はない。
「完全に寝ちゃったわね。家、知ってるの?」
麻里さんに聞かれ、小さく頭を振る。
「いや。多分、寮だとは思うけど。麻里さんのところに泊めてあげてくれない?」
「ダーメ、今彼と一緒に住んでるから」
どこか自慢げに彼女が返すが、叔母の私生活はあまり知りたくないのでスルーした。
「……となると、うちか」
額に手を当てハーッと息を吐く俺に、麻里さんが笑顔で言う。
「部屋いっぱいあるんだからいいじゃない。それにここから近いわ」