私が好きになったのはどっちなの?
「さすが蓮くん、気が利くわね。じゃあ、おやすみ」
 麻里さんを見送って玄関の鍵を閉めると、花梨ちゃんの様子を見に行く。俺のベッドで気持ちよさそうに寝ている彼女を見て、少しホッとした。
 とりあえず、具合は悪くなさそうだ。
 お酒は『大丈夫』と言っていたけど、もう少し気をつけてあげればよかったな。
「シャワー浴びてこよう」
 すぐに寝室を出て軽くシャワーを浴び、明日の学会の講演内容を確認。準備が整うと、花梨ちゃんの様子を確認がてらブランケットを取りに行く。
「う~ん、暑い」
 花梨ちゃんの声がしたので枕元の間接照明をつけたら、布団をはいでいた。
「こらこら、風邪引くだろ?」
 布団をかけてやると、彼女がパチッと目を開けて俺に抱きついてきた。
「あっ、樹先生」
 髪を洗って前髪を下ろしていたせいか、彼女は樹と間違える。
「いや、俺は樹じゃないんだけど……うわっ!」
 否定して花梨ちゃんの手を外そうとしたら、彼女が体重をかけてきてバランスを崩し、ベッドに倒れ込んだ。
「花梨ちゃん、意外と力あるね」
 すぐに起き上がろうとするが、彼女が放してくれない。
「花梨ちゃん?」
 起きたかと思ったら、彼女はまた目を閉じる。
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