私が好きになったのはどっちなの?
「いざとなったら頼れる脳外科医がいないからじゃないかな。蓮先生はうちで一番の腕前だから」
 確かに蓮先生がいると、安心感が違う。どんな患者さんも治しちゃうイメージあるもの。
「ああ。なるほど。あの……樹先生って看護師をさん付けしないんですか?」
『渡辺』と呼び捨てにしていたのが気になった。
「私、最初の二年は救急だったの。ダメダメナースでね。樹先生に鍛えられたのよ」
 渡辺さんの話が信じられなかった。
「ええ〜。渡辺さんがダメダメナース? なんの冗談ですか?」
「本当。最初の一カ月は注射もまともに打てなかったわ」
 今の私と一緒だ。
「樹先生、流石ですね」
 樹先生の指導があって今の渡辺さんがあるんだ。
「そうね。青山兄弟はやっぱり最強ね」
 ニコッと微笑む渡辺さんに、大きく頷く。
「本当に。私も渡辺さんみたいな看護師目指して頑張ります!」
「私なんかまだまだだけど、水森さんは今日の点滴頑張ろうか」
「……そうですね。まず目の前のことをちゃんとやらないと」
 ハハッと苦笑いしながら、また渡辺さんと組んで担当患者の点滴を打つ。
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