私が好きになったのはどっちなの?
 深々と頭を下げると、麻里さんが慌てて私の方にやって来た。
「やだ、謝らないで。誰だって酔って寝ちゃうことあるわよ。でも、蓮くんが一緒でよかったわね」
「……そうですね」
 果たしてよかったのだろうか?
「お腹空いたでしょう? なにか作るからどこでも好きなとこ座って待ってて」
 麻里さんがそう言って厨房に引っ込んでしまう。
「食事するつもりはなかったんだけどな」
 ボソッと呟いて、昨日と同じ席に座る。
 今日は先生たちがいないから静かだ。
 しばらくして麻里さんがテーブルにコトンと熱々のラザニアとサラダを置く。
「さあ、召し上がれ」
「いただきます」
 手を合わせるとスプーンを手に取り、熱々のグラタンを口にする。
「あ、熱っ……おいひい!」
 咀嚼しながら感想を口にする私を見て、麻里さんが柔らかな笑みを浮かべた。
「無理して喋らないで。でも、褒められると嬉しい」
「やっぱりあったかいものって心にもしみますね。最近忙しくて自炊もできなくて、お昼は売店のお弁当だし、夜はコンビニのお握りだったり」
 そんな実態を話すと、麻里さんが同情するように言う。
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