私が好きになったのはどっちなの?
「えー、そうなんですね。たまに先生方と遊びに行かれているのかと」
 彼女の話に相槌を打ちながらエレベーターを降りて、寮の正面玄関に向かう。
「そんなわけないじゃない。もうなに着ていいかすごく迷った」
「あ~、私もです。釣りだからパンツだし、スカート穿けないからすごく悩みました」
 私は太ももが太いのがコンプレックスで、あまりパンツスタイルは好きではなく、パンツもジーンズを二足持ってるだけ。
 長めのシャツとちょっと大きめのジャケットで太ももを隠している。
「渡辺さん、スタイルすごくいいですね。羨ましい」
 彼女もジーンズなのだが、足が長くてすごくよく似合う。
 彼女は同い年なのだけど、大人っぽいし憧れる。
「いや、ただ棒みたいなだけよ。中学の時に身長どんどん伸びちゃって、今、百七○あって、水森さんくらいの身長に憧れる……って、よかったら下の名前で呼ばない? 年一緒でしょう? 仕事が抜けない感じで余計緊張しちゃう」
「確かに。でも、本当にいいんですか?」
 私に気を遣っているんじゃあ。
「全然。あと、敬語もやめよう、花梨さん」
 ニコッとする笑顔はさっきよりもリラックスした様子だった。
「うん。静香さん」
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