私が好きになったのはどっちなの?
 なんだか私たちの方が双子みたいだ。
 寝るつもりはなかったのだけれど、蓮先生の運転がうまかったせいか、すごく緊張していたのにいつの間にかうとうとしてしまう。
「着いたよ」
 蓮先生の穏やかな声でハッと目を開けた。
 しまった。寝ちゃってた。
 静香さんも寝ていたようでお互い目が合って苦笑いする。
 やって来たのは埼玉にある売り場。
 車を降りて、事務所で受付をしていざ釣り場へ。
 池が三つあって、一番小さい池はエサ釣り用で家族連れが多く、朝早いのに混んでいた。
 他のふたつの池は大きく、先生たちは奥の空いている方に池にとことこと歩いて行くのでついていく。
 マップも見ずに行くし、どうやら初めての場所ではないらしい。
 蓮先生が折り畳み椅子を用意してくれて私と静香さんに声をかける。
「ちょっと竿の準備するからふたりは座ってて」
 コクッと頷いて私も静香さんも大人しく椅子に座る。
「静香さんは釣りはやったことあるんですか?」
 蓮先生に誘われるのだから経験者かと思ったら違った。
「まったくの初心者。花梨さんは?」
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