私が好きになったのはどっちなの?
「酔ってる時は俺と樹間違えたくせに」
「クドいですよ、先生!」
 蓮先生と言い合っていたら、樹先生が渡辺さんを連れて戻ってきて、「水ぶくれもないし大丈夫」と私と蓮先生に告げてホッと胸を撫で下ろす。
「あ~、よかったあ。静香さん、ごめんなさい。私、見えてなくて」
 手を合わせて謝ると、静香さんも申し訳なさそうに謝ってきた。
「謝らないで。花梨さんの動きは見えてたのに、私がなにも考えずに動いちゃったの。結構私、おっちょこちょいで」
「確かに渡辺はおっちょこちょい」
 樹先生が否定せずに深く頷けば、蓮先生は穏やかな笑顔で私と静香さんをフォローするように言う。
「まあ、ある意味ふたりの息が合ってるんだろうね。同じタイミングで動くんだから」
 彼の言葉を聞いて静香さんと目を合わせ微笑む。
 その後、夕方まで釣りを続けた。
 蓮先生との勝負は、蓮先生が二十三匹、私が十六匹で蓮先生の勝ち。
 ちなみに樹先生が十八匹で、渡辺さんは五匹だった。
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