負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

01月12日、月曜日

 昼過ぎ、家でダラダラしてたら須藤から呼び出された。

 須藤のニャインのアイコンが、シロイルカのぬいぐるみだったのが、昨日一緒に買った星座模様の膝掛けが被せられてる。

 もしかして、ふわふわとかふかふかとか好きなの?

 背の高い、きつめイケメンのくせに、ふわふわ好きなのか。



 呼び出されて行ったフードコートで、須藤は隅っこで勉強してた。


「34日経ったけど、年末に言ったこと覚えてる?」

「なんだっけ?」

「ホント馬鹿だな。予習復習、練習! 一週間の授業でやったこと、全部思い出せ」

「鬼だ」

「勝たせてほしいんだろ?」

「……うん」


 諦めて須藤の向かいに座った。


「そこ、スペル違う」

「んえっ」

「単語逆。意味が変わるだろうが」

「うええ」


 須藤は厳しいけど、教わるとちゃんと成績上がるんだよな。

 チラリと見上げると、須藤は真面目な顔でシャーペンを動かしている。

 サラサラと、ちょっと尖った癖字がノートに並んでく。

 長いまつ毛が目元に影を作っていた。

 綺麗な顔だ。

 ほんと、顔だけは綺麗なんだよなあ。


「おい、手が止まってる」

「ん」


 シャーペンを持ち直す。

 ノートの上に飴が転がってきた。


「俺、優秀な飼い主だからさ。ムチだけじゃなく飴もやる」

「ふふ、ありがと」


 笑って受け取ったら須藤が不思議そうな顔をした。

 言い方はキツイけど、面倒見がよくて、かわいい後輩だ。
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