転生したら捨てられ公爵夫人になったので放置生活を楽しみます~使えない才女ですので、どうぞお気になさらず~
***
……まさか、そのまま新しい結婚相手に嫁がされるとは思わなかったわ。
前世の記憶を思い出したとはいえ、貴族としての記憶もちゃんと残っているだけに、今回の婚姻は受け入れるしかなかった。王命はそれだけ重い。
そんなわけで、今回の結婚までガレミット家に押し込められていた期間に、わたしはこっそりと自分の目の前に出てくる画面と検索バーについて検証を重ねていた。
まずは皆がグリモワールを呼び出すように口に出して唱えてみた。当然のように画面は現れ検索も可能だった。
次は頭の中だけで考えてみるが、これも普通に画面が出てきた。勿論検索の方も考えるだけでじゅうぶんだ。ではその次は他人が側にいる時に、等々。いろいろな状況下で試してみた。
結果、この画面はわたし以外には誰にも見えない。そしてわたしが今までに読んだ全ての本から検索が可能らしい。
そのうえどうやら読んだ本を全て記憶する能力は、転生した今世だけでなく、転生前の前世、つまりは日本で読んだ本までもが適用されることに気がついた。
本と名の付くものならば何でも読む、生粋の本好きだったため、その記憶は多岐にわたる。
それこそ小説やマンガのようなエンタメから、料理本に健康法のような一般向けのもの、農業ビジネスやゼンマイ時計を作る本なんてものまで何でも読んだ。
そのため、わたしの頭の中には前世、今世含めてありとあらゆる知識が詰め込まれていて、それが検索ひとつで全て目の前の画面で見ることができるのだ。
これは、凄い!
ただ肝心の、この世界。つまりは乙女ゲーム〝虹のグリモワール〟については、残念ながら妹から渡されたゲーム雑誌本の内容までしかわからなかった。
それはそうよね。だって、ゲームはしていないんだもの。
それでも一応検索してわかったことといえば、〝虹のグリモワール〟はアカリと呼ばれるヒロインが図書館で見つけた不思議な本を手に取ったことで異世界に転移するところから始まるらしい。
渡り人として、世界で唯一の聖属性で、癒やしと回復の魔法を使う白のグリモワールを手にしたアカリが、各属性の攻略対象者たちとともに学び、世界の歪みを正すため異常発生した魔獣を倒しつつ、滅びのグリモワールを封印する。そんなゲームだ。
その中でのメイン攻略対象者が王太子ラフォルト、十七歳。
わたしが卒業した時点でラフォルト第二王子が十六歳だったことを考えれば、おそらくこの春、王立学園の新年度からゲームがスタートするのだろう。
そう考えるとわたしを切り捨てた第一王子のトリステット殿下に対して多少思うところはあるが、正直言って今の状況には満足している。
まあ結果、クズ王子からも乙女ゲームの本流からも逃げ切れたうえに、本読み放題のオプション付き生活を手に入れたので個人的には大勝利だけどね。
ふふん、と鼻歌を歌いながら再び読書に入り始めると、シータリアはふいに扉へと向かう。
突然開かれた扉の向こう側で、侍女のラズが驚き固まっていた。
「あ、あの、アリアージュ様。お部屋のシーツの取り替えに参りましたのですが……」
……まさか、そのまま新しい結婚相手に嫁がされるとは思わなかったわ。
前世の記憶を思い出したとはいえ、貴族としての記憶もちゃんと残っているだけに、今回の婚姻は受け入れるしかなかった。王命はそれだけ重い。
そんなわけで、今回の結婚までガレミット家に押し込められていた期間に、わたしはこっそりと自分の目の前に出てくる画面と検索バーについて検証を重ねていた。
まずは皆がグリモワールを呼び出すように口に出して唱えてみた。当然のように画面は現れ検索も可能だった。
次は頭の中だけで考えてみるが、これも普通に画面が出てきた。勿論検索の方も考えるだけでじゅうぶんだ。ではその次は他人が側にいる時に、等々。いろいろな状況下で試してみた。
結果、この画面はわたし以外には誰にも見えない。そしてわたしが今までに読んだ全ての本から検索が可能らしい。
そのうえどうやら読んだ本を全て記憶する能力は、転生した今世だけでなく、転生前の前世、つまりは日本で読んだ本までもが適用されることに気がついた。
本と名の付くものならば何でも読む、生粋の本好きだったため、その記憶は多岐にわたる。
それこそ小説やマンガのようなエンタメから、料理本に健康法のような一般向けのもの、農業ビジネスやゼンマイ時計を作る本なんてものまで何でも読んだ。
そのため、わたしの頭の中には前世、今世含めてありとあらゆる知識が詰め込まれていて、それが検索ひとつで全て目の前の画面で見ることができるのだ。
これは、凄い!
ただ肝心の、この世界。つまりは乙女ゲーム〝虹のグリモワール〟については、残念ながら妹から渡されたゲーム雑誌本の内容までしかわからなかった。
それはそうよね。だって、ゲームはしていないんだもの。
それでも一応検索してわかったことといえば、〝虹のグリモワール〟はアカリと呼ばれるヒロインが図書館で見つけた不思議な本を手に取ったことで異世界に転移するところから始まるらしい。
渡り人として、世界で唯一の聖属性で、癒やしと回復の魔法を使う白のグリモワールを手にしたアカリが、各属性の攻略対象者たちとともに学び、世界の歪みを正すため異常発生した魔獣を倒しつつ、滅びのグリモワールを封印する。そんなゲームだ。
その中でのメイン攻略対象者が王太子ラフォルト、十七歳。
わたしが卒業した時点でラフォルト第二王子が十六歳だったことを考えれば、おそらくこの春、王立学園の新年度からゲームがスタートするのだろう。
そう考えるとわたしを切り捨てた第一王子のトリステット殿下に対して多少思うところはあるが、正直言って今の状況には満足している。
まあ結果、クズ王子からも乙女ゲームの本流からも逃げ切れたうえに、本読み放題のオプション付き生活を手に入れたので個人的には大勝利だけどね。
ふふん、と鼻歌を歌いながら再び読書に入り始めると、シータリアはふいに扉へと向かう。
突然開かれた扉の向こう側で、侍女のラズが驚き固まっていた。
「あ、あの、アリアージュ様。お部屋のシーツの取り替えに参りましたのですが……」