転生した赤ちゃん皇女さまは家族のために暗躍します~冷酷皇帝一家の天才幼女がどんな事件も解決でしゅ!~
12.豆の功罪
でも、だとすると――私は心の中でぞっとする。
子どもにカフェインは良くない。かなり少なめじゃないと。
ボルツはまだ九歳。カフェインの摂取量の目安は……コップ一杯もないはずだ。
それを水筒に持ち歩いて飲んでいるなんて。
この世界では知識がないだろうから仕方ないけれど、日本なら完全にアウトだ。
「飲むと本当に頭がすっきりするし、魔法を使うにもいいよ。飲んでみなって」
ボルツはシャルウッドに再度、コーヒーを飲むように勧める。
マズい。身体の弱いシャルウッドだとさらにカフェイン摂取は望ましくないはず。
どうにかして止めないと。でも私が迂闊に動くのは……。
ボルツはグレンダと親しいように感じた。
もし私が妙な行動をしてボルツからグレンダに伝わったらマイナスしかない。
『……モナック、協力するでしゅ!』
『なーん。面白いことかにゃ……?』
ベビーカーに乗りながら、モナックが顔を洗う。
私は急いでモナックに作戦をテレパシーで伝え、協力を求める。
その間にボルツから水筒を押し付けられたシャルウッドが、困りながらもコーヒーを飲もうとしていた。
「はぁ……一口だけだよ」
「ああ、飲んでみて!」
「あーうっー!(だめでしゅーっ!)
私は近寄ってきたモナックのお腹にパンチした。
正確にはパンチの振りだ。当たってない。
「にゃーうー!」
私に当たってないパンチをされたモナックは、これまたびっくりした振りをして大ジャンプする。
なかなかの演技だった。
目標はシャルウッドの持っている水筒だ。
ぱこーんと気持ちのいい音が鳴り、モナックが水筒を弾き飛ばす。
「う、うわっ! モナックっ!?」
『ふっ、完璧にゃーん!』
得意げなモナック。
よし、びっくりモナック大作戦は成功だ。
どこからどう見ても近寄ってきたモナックの胴体に一歳児の拳が当たり、パニックしたモナックが暴れたようにしか見えないはず!
が、ちょっとした計算違いが起こった。
水筒を持つシャルウッドの手に力が入っていなかったのか、モナックの突撃の勢いが良すぎたのか。
弾かれた水筒がくるくる回りながら、ボルツの頭上を飛んでいったのだ。
『……あ』
当然、コーヒーが中身の水筒である。空中を飛べば大変なことに。
具体的にはボルツは頭からコーヒーまみれになったのだ。
「ぺっ、なっ……べちゃべちゃだ! モナック、何してくれるんだよぉ!」
一拍置いて状況を認識したボルツが服を摘まんで惨状を確認する。
黒の少年服は上から酷い有様で、白のシャツは完全にまだら模様だ。
『にゃ、にゃ……あたしのせいじゃないにゃん?』
シャルウッドの後方に着地したモナックは可愛らしく首を傾げた。
くっ、これは完全に私のせいなのだが……。
「ボルツ、とりあえず着替えてきなよ。そのままじゃ生地も駄目になっちゃう」
「ああ、もうっ! わかった、行くよ!」
服と飲み物を台無しにされたボルツはぷりぷり怒りながら中庭を足早に出ていった。
ま、まぁ……とりあえずカフェインから遠ざけたのだから良しとしよう。
シャルウッドが寂しげに笑いながら座るモナックの背を撫でる。
「ボルツも悪気はないんだけどね。あいつには色々と気を遣わせてしまって」
「にゃうーん」
そこでカミルが戻ってきたことで、会合はちょっと硬いものになった。
やっぱりカミルがいるとシャルウッドとボルツは本音を出してくれない。
でも今回の会合でふたりの性格なんかは肌で実感できた。
未来、私とカミルの運命はふたりの皇位争いから始まる……今の状況を知るのは大切なことなのだ。
子どもにカフェインは良くない。かなり少なめじゃないと。
ボルツはまだ九歳。カフェインの摂取量の目安は……コップ一杯もないはずだ。
それを水筒に持ち歩いて飲んでいるなんて。
この世界では知識がないだろうから仕方ないけれど、日本なら完全にアウトだ。
「飲むと本当に頭がすっきりするし、魔法を使うにもいいよ。飲んでみなって」
ボルツはシャルウッドに再度、コーヒーを飲むように勧める。
マズい。身体の弱いシャルウッドだとさらにカフェイン摂取は望ましくないはず。
どうにかして止めないと。でも私が迂闊に動くのは……。
ボルツはグレンダと親しいように感じた。
もし私が妙な行動をしてボルツからグレンダに伝わったらマイナスしかない。
『……モナック、協力するでしゅ!』
『なーん。面白いことかにゃ……?』
ベビーカーに乗りながら、モナックが顔を洗う。
私は急いでモナックに作戦をテレパシーで伝え、協力を求める。
その間にボルツから水筒を押し付けられたシャルウッドが、困りながらもコーヒーを飲もうとしていた。
「はぁ……一口だけだよ」
「ああ、飲んでみて!」
「あーうっー!(だめでしゅーっ!)
私は近寄ってきたモナックのお腹にパンチした。
正確にはパンチの振りだ。当たってない。
「にゃーうー!」
私に当たってないパンチをされたモナックは、これまたびっくりした振りをして大ジャンプする。
なかなかの演技だった。
目標はシャルウッドの持っている水筒だ。
ぱこーんと気持ちのいい音が鳴り、モナックが水筒を弾き飛ばす。
「う、うわっ! モナックっ!?」
『ふっ、完璧にゃーん!』
得意げなモナック。
よし、びっくりモナック大作戦は成功だ。
どこからどう見ても近寄ってきたモナックの胴体に一歳児の拳が当たり、パニックしたモナックが暴れたようにしか見えないはず!
が、ちょっとした計算違いが起こった。
水筒を持つシャルウッドの手に力が入っていなかったのか、モナックの突撃の勢いが良すぎたのか。
弾かれた水筒がくるくる回りながら、ボルツの頭上を飛んでいったのだ。
『……あ』
当然、コーヒーが中身の水筒である。空中を飛べば大変なことに。
具体的にはボルツは頭からコーヒーまみれになったのだ。
「ぺっ、なっ……べちゃべちゃだ! モナック、何してくれるんだよぉ!」
一拍置いて状況を認識したボルツが服を摘まんで惨状を確認する。
黒の少年服は上から酷い有様で、白のシャツは完全にまだら模様だ。
『にゃ、にゃ……あたしのせいじゃないにゃん?』
シャルウッドの後方に着地したモナックは可愛らしく首を傾げた。
くっ、これは完全に私のせいなのだが……。
「ボルツ、とりあえず着替えてきなよ。そのままじゃ生地も駄目になっちゃう」
「ああ、もうっ! わかった、行くよ!」
服と飲み物を台無しにされたボルツはぷりぷり怒りながら中庭を足早に出ていった。
ま、まぁ……とりあえずカフェインから遠ざけたのだから良しとしよう。
シャルウッドが寂しげに笑いながら座るモナックの背を撫でる。
「ボルツも悪気はないんだけどね。あいつには色々と気を遣わせてしまって」
「にゃうーん」
そこでカミルが戻ってきたことで、会合はちょっと硬いものになった。
やっぱりカミルがいるとシャルウッドとボルツは本音を出してくれない。
でも今回の会合でふたりの性格なんかは肌で実感できた。
未来、私とカミルの運命はふたりの皇位争いから始まる……今の状況を知るのは大切なことなのだ。