転生した赤ちゃん皇女さまは家族のために暗躍します~冷酷皇帝一家の天才幼女がどんな事件も解決でしゅ!~
13.兄の為に
その日の深夜、私はさらなる情報収集のためにキッチンでソーニャと向き合っていた。
で、モナックはソーニャのお手軽デザート、アップルホットケーキを頬張っている。
『ソーニャの料理はマジで絶品にゃーん♪』
『う、羨ましいでしゅ……』
味自体は感覚共有の魔法で共有できるのだけど。
でもこれの難点は、感情が高ぶると魔力が漏れる点だ。
一歳児が魔法を能動的に使っている、というのはバレないほうがいい。
となると、あまり美味しい味を共有するわけにも……うぅ……。
私たちが日々食べる食事のほとんどはソーニャとその部下のメイドによるものだ。
ただ、その中でもソーニャの料理の腕は際立っている。
「ラミリア様、本日は何がお知りになりたいのでしょうか?」
ここ最近、私は一日おきくらいにソーニャに色々なことをこっそり聞いていた。
自分で判断するだけではなく、人から聞いたほうが良い。
『シャルウッド兄様は本当に病弱なんでしゅ?』
私は渡されたスケッチブックにガリガリと鉛筆で文字を書く。
この世界の文字はちょっと違うけれど、アルファベットに似ている。
文法は英語なので、私でもなんとか意思疎通できるのだ。
もっとも、字は恐ろしいほど汚いが。
たどたどしい私の文字にソーニャは頷く。
「はい、そのようにお聞きしております。幼い頃から急に体調を崩されることが多かったとか。帝国内では広く知られている事実です」
『お医者さんとかには診せたんでしゅ?』
「シャルウッド様のために、最高の医者と優れた治癒魔法の使い手を陛下が手配されたと聞いております。しかしあまり効果はないようで……原因不明だとか」
『ふむむ……でしゅ』
たったこれだけの指と頭が疲れてきた。
テレパシーで会話できたら楽なのだが、 ソーニャはテレパシーの適性がない。
『シャルウッド兄様の治療記録とか、疑わしい病気の話とか。あったら欲しいでしゅ』
「ある程度であれば入手できるかと。贈答品を送る機会もありますゆえ」
『おおっ! 頼みますでしゅ! あとそうでしゅ――あの昼間、ボルツ兄様が飲もうとしたのは身体に良くないでしゅからね!』
「そ、そうなのですか? 南方ではメジャーな飲み物だとか」
『子どもには駄目なんでしゅ。大きくなったら大丈夫でしゅ。モナックもそう言ってましゅ』
『にゃん!?』
モナックはいきなり話を振られたことに驚きながらもこくこくと頷いた。
「……そうですね、それとなく働きかけは出来ると思います」
『ちょっとストップするか量を減らすようにして欲しいでしゅ。苦労をかけましゅけれど』
「いえ、私のほうこそご兄弟を想うラミリア様のお気持ちは痛いほど伝わってきております……! 必ずやご期待に応えますので!」
ソーニャは感動しながら私のぷにっとした手を握ってきた。
見た目はクールな完璧メイドなのに、心根は結構熱い人なのかも。
『にゃう。でもなんでシャルウッドをそんなに調べるのにゃ?』
『体調面が気になるってのがひとつでしゅ……』
シャルウッドの病弱さによって、ボルツにも皇位の可能性が出てきた。
それが皇位争いの根本原因だ。
もしシャルウッドの体調が安定すれば、皇位争いがそもそも起こらないかもしれない。
今日の兄同士のやり取りを見る限り、そこまで仲が悪いようにも感じないし。
『魔法があるのに体調がずっと悪いっていうのにも気になりましゅ。そんなことって結構あるんでしゅ?』
『うーん、珍しいことではあるにゃね。もちろん即死に近いのは助からにゃいけど。ずーっと体調が悪いのは……でもたまにヘイラルの皇族であるような気もするにゃ』
ホットケーキの欠片をくわえながら、ぐーっと首を傾げる。
『にゃ、にゃ。何世代にひとりとかいるよーな気がするのにゃあ』
『わかった、ありがとうでしゅ……!』
ずっと生きているモナックからの情報は貴重だ。
何世代にひとりだと遺伝の可能性もある。遺伝には魔法は効かないのだろうか。
魔力はあっても使いこなせないと。その辺りも知っていかなければ……!
で、モナックはソーニャのお手軽デザート、アップルホットケーキを頬張っている。
『ソーニャの料理はマジで絶品にゃーん♪』
『う、羨ましいでしゅ……』
味自体は感覚共有の魔法で共有できるのだけど。
でもこれの難点は、感情が高ぶると魔力が漏れる点だ。
一歳児が魔法を能動的に使っている、というのはバレないほうがいい。
となると、あまり美味しい味を共有するわけにも……うぅ……。
私たちが日々食べる食事のほとんどはソーニャとその部下のメイドによるものだ。
ただ、その中でもソーニャの料理の腕は際立っている。
「ラミリア様、本日は何がお知りになりたいのでしょうか?」
ここ最近、私は一日おきくらいにソーニャに色々なことをこっそり聞いていた。
自分で判断するだけではなく、人から聞いたほうが良い。
『シャルウッド兄様は本当に病弱なんでしゅ?』
私は渡されたスケッチブックにガリガリと鉛筆で文字を書く。
この世界の文字はちょっと違うけれど、アルファベットに似ている。
文法は英語なので、私でもなんとか意思疎通できるのだ。
もっとも、字は恐ろしいほど汚いが。
たどたどしい私の文字にソーニャは頷く。
「はい、そのようにお聞きしております。幼い頃から急に体調を崩されることが多かったとか。帝国内では広く知られている事実です」
『お医者さんとかには診せたんでしゅ?』
「シャルウッド様のために、最高の医者と優れた治癒魔法の使い手を陛下が手配されたと聞いております。しかしあまり効果はないようで……原因不明だとか」
『ふむむ……でしゅ』
たったこれだけの指と頭が疲れてきた。
テレパシーで会話できたら楽なのだが、 ソーニャはテレパシーの適性がない。
『シャルウッド兄様の治療記録とか、疑わしい病気の話とか。あったら欲しいでしゅ』
「ある程度であれば入手できるかと。贈答品を送る機会もありますゆえ」
『おおっ! 頼みますでしゅ! あとそうでしゅ――あの昼間、ボルツ兄様が飲もうとしたのは身体に良くないでしゅからね!』
「そ、そうなのですか? 南方ではメジャーな飲み物だとか」
『子どもには駄目なんでしゅ。大きくなったら大丈夫でしゅ。モナックもそう言ってましゅ』
『にゃん!?』
モナックはいきなり話を振られたことに驚きながらもこくこくと頷いた。
「……そうですね、それとなく働きかけは出来ると思います」
『ちょっとストップするか量を減らすようにして欲しいでしゅ。苦労をかけましゅけれど』
「いえ、私のほうこそご兄弟を想うラミリア様のお気持ちは痛いほど伝わってきております……! 必ずやご期待に応えますので!」
ソーニャは感動しながら私のぷにっとした手を握ってきた。
見た目はクールな完璧メイドなのに、心根は結構熱い人なのかも。
『にゃう。でもなんでシャルウッドをそんなに調べるのにゃ?』
『体調面が気になるってのがひとつでしゅ……』
シャルウッドの病弱さによって、ボルツにも皇位の可能性が出てきた。
それが皇位争いの根本原因だ。
もしシャルウッドの体調が安定すれば、皇位争いがそもそも起こらないかもしれない。
今日の兄同士のやり取りを見る限り、そこまで仲が悪いようにも感じないし。
『魔法があるのに体調がずっと悪いっていうのにも気になりましゅ。そんなことって結構あるんでしゅ?』
『うーん、珍しいことではあるにゃね。もちろん即死に近いのは助からにゃいけど。ずーっと体調が悪いのは……でもたまにヘイラルの皇族であるような気もするにゃ』
ホットケーキの欠片をくわえながら、ぐーっと首を傾げる。
『にゃ、にゃ。何世代にひとりとかいるよーな気がするのにゃあ』
『わかった、ありがとうでしゅ……!』
ずっと生きているモナックからの情報は貴重だ。
何世代にひとりだと遺伝の可能性もある。遺伝には魔法は効かないのだろうか。
魔力はあっても使いこなせないと。その辺りも知っていかなければ……!