運命の恋は、スマホの外にありました
 メッセージを送ったら、やけに気分爽快だった。
 私、ずっとこうやって、本音を隠さずに生きたかったんだな。
 高揚した気持ちのまま、龍介さんを真っ直ぐに見る。

「あの、龍介さん。プレゼントはしなくて良いので、私の新しい服を一緒に選んでもらえませんか?」

 ハキハキとお願いする私に、龍介さんは目を瞬かせた。

「あれ? 待ち合わせは?」

「断りました。よく考えたら、三十分の遅刻はあり得ないなって」

「ははっ、急に目が覚めたか」

 楽しそうに笑ってから、龍介さんは「よし」と立ち上がった。

「じゃあ、華恋ちゃんの好きな服屋に行こう。プレゼントはさせてよ。俺、仕事ばっかりで金を使う暇がないから、こう見えて貯金はあるんだ」

 子どもみたいに胸を張る龍介さん。きっと、私が気にしないように言ってくれているんだろうな。
 もう一度断るのも、却って失礼になるのかな? 恋愛偏差値が低い私には、正解が分からない。

「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えて……」

 小さな声でお礼を言うと、龍介さんは「了解」とにっこり笑った。
 お金を使わせちゃうのは、申し訳ないけれど……龍介さんの優しい笑顔を見て、マチアプ男ではなく彼を選んで本当に良かったと思った。


 公園を出た私たちは、駅へと向かった。
 駅に隣接しているファッションビルの中に、ファストファッションの店がある。そこで手頃な値段のボトムスを選ぶつもりだ。

「本当にその店にするのか? さすがにハイブランドは難しいけど、もっと高い店でもいいよ」

「いえいえ。私、よくこの店で服を買うので、お気になさらず」

 龍介さんの優しさに甘えてはいけない。
 初対面の、しかも彼氏でも何でもない男性に高価な服を買ってもらおうだなんて、厚かましいよね。
 セールのワゴンの中から、サイズが合う物を探そう。
 そう考えていたのに、思いがけない運命の出会いは、ここでもあった。

「あ」
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