運命の恋は、スマホの外にありました
 ファストファッションの店へ行く途中にある、キラキラ女子御用達のアパレルショップ。
 私はこの店で服を買ったことがない。というか、そもそも足を踏み入れたこともない。
 SNSで目立つような華やかな服は、私のような平凡OLには不似合いだろう。
 それなのに、つい、通りに面したトルソーの前で足を止めてしまった。

「……」

 トルソーが着ていたのは、いかにもデートに向きそうな愛らしいワンピースだった。ストロベリーピンクの生地に、首元のビジューが煌めいている。
 キュッとくびれたウエストからスカートがふわっと広がる、フィット&フレアのシルエット。可愛さをこれでもかと詰め込んだワンピースだ。

「華恋ちゃん、この服が気になる?」

 隣に並んだ龍介さんの問い掛けで、私はハッと我に返った。

「あ、いえ、ちょっと目に留まっただけです。こんな華やかな服、私には似合いませんよ」

「そんなことないと思うけど。試着してみたら?」

「え! そんな勇気ないですって」

 すると、私たちに気付いた店員さんが近寄ってきた。

「いらっしゃいませ! 良かったらご試着も出来ますよ」

 店員さんはサラサラのストレートロングヘアで、細身の体型にオフショルダーのニットが似合う。
 アイドルみたいに可愛くて、やっぱりこういう人じゃないと、この店の服は着こなせないよなぁと納得した。
 龍介さんが店員さんに話し掛ける。

「ねえ、このワンピース、彼女に似合うよね?」

「!?」

 いきなり、何聞いてくれちゃってんの!?
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