運命の恋は、スマホの外にありました
「お客様、いかがですか?」

 試着室の外から、店員さんに声を掛けられる。

「あ、はい」

 私は恐る恐るカーテンを開けた。
 自分では似合うと思っていても、それは勘違いかもしれない。周りの人がどう思うかは分からないもの。
 二人の視線にビクビクする。

「華恋ちゃん、すごく可愛いよ! さっきまで着てた服よりも似合うんじゃない?」

「あ、ありがとうございます……」

 目を輝かせて褒めてくれる龍介さん。本気で言ってるような表情だから、照れ笑いを返すことしか出来ない。

「このワンピースは他のお色もあるんですけど、お客様は断然ピンクですね!」

 店員さんもノリノリだ。きっとセールストークなんだろうけど、私は何だか楽しい気分になっていた。
 それは、いつものショッピングと違って、純粋に自分が着てみたい服を見つけられたから。そして、龍介さんの後押しで、それを着られたからだった。

 実は以前から、こういう華やかな服に興味はあったのだ。
 だけど、たくさん自分に言い訳をして、買わなかった。
 私には似合わないから。
 もうアラサーだから。
 悪目立ちしたくないから。
 友達にからかわれるから。
 職場の可愛い後輩と服のテイストが被るから。
 だけど……本当の私は、とびきり素敵な服――主人公の服を着たかった。

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