運命の恋は、スマホの外にありました
 何て偶然なんだろう。驚きで言葉を失う私に、彼はイライラとした口調で言う。

「この短時間で、もう次の男を見つけたってわけか? 最低だな」

「なっ……」

「デートを断るんなら、もっと早く連絡よこせよ。俺が着いてからキャンセルだなんて、礼儀ってもんがなってないんじゃない?」

 いやいやいやいや。三十分遅刻したのはそっちのくせに、何で上から目線なのよ!
 アプリのやり取りの印象では、彼は顔良し・年収良し・性格良しのエリートビジネスマンだったはずなのに。今目の前にいる本人は、服装も口調もチャラくてイメージが違う。
 すると、龍介さんが私の肩を抱いた。

「彼女は俺がもらったから」

 いきなりの言動に、私も男性もポカンと口を開ける。
 龍介さんは男性を馬鹿にするようにフッと笑った。そして、きっぱりと言い放つ。

「君ね、こんなイイ女を待たせるなんて、彼女作る資格ないんじゃない?」

「っ!」

 男性の顔がカッと赤くなった。

「分かったら、とっとと立ち去ってくれないかな。俺たちはこれから楽しいデートだから」

 龍介さんの余裕ある口ぶりに、男性は憎々しげな表情になってチッと舌打ちをする。
 けれど、特に何も言い返すことなく、(きびす)を返して足早に去っていった。

「華恋ちゃん、大丈夫?」

 龍介さんが私の顔を覗き込む。肩を抱かれているから、距離が近い。私の胸がドキドキと大きく脈打った。
 恥ずかしさに俯いて、本音を呟く。

「……こういう時だけカッコいいなんて、ズルいです」

「待って待って。俺はいつだってカッコいいけど?」

 ちょっとおどけた様子の龍介さんに、私の中の緊張も解けた。
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