運命の恋は、スマホの外にありました
「華恋ちゃん、どうした!?」

 龍介さんが慌てた様子でこちらに身を乗り出す。

「す、すみません。何でもないです」

 私は急いで手の甲で涙を拭った。
 その様子を心配そうに眺めてから、龍介さんが口を開く。

「さっき、自分のことを冴えないアラサー女だなんて言ってたけど、何かあったのか?」

「えっと、それは……」

「話したら楽になるかもよ? 俺は通りすがりの赤の他人だから、何を言ったとしても、華恋ちゃんの周りの人には伝わらないし」

 龍介さんの優しい申し出に、胸がキュンとしてしまう。
 だけど、本当にいいのかな? 仕事で疲れてる初対面の人に愚痴っちゃって。
 戸惑いながら龍介さんを見ると、無言で頷いてくれる。それで、私も心を開く準備が出来た。

「私、気付いちゃったんです」

「ん? 何に?」

「自分の中にある寂しさに」

 構ってちゃんみたいな言い方になったけれど、これが今の私の本音だ。

 彼氏は別にいなくてもいいと思ってた。
 気の合う人がいれば付き合いたいけど、出会えず……。というか、社会人は自分から動かないと、そもそも出会いがないんだよね。消極的な私なら、なおさら。
 でも、別に大丈夫だった。友達もいるし、趣味もある。一人暮らしは自由気ままで、このまま楽しく生きればいいかなって気持ちだった。

 だけど――、就職して四年と数ヶ月。アラサーの現在、たまに無性に寂しくなる瞬間がある。
 友達も彼氏が出来たり、はたまた婚約したりで、以前より遊ばなくなった。喜ばしいことなのに、素直に祝福出来ない自分がいる。
 私はこのままずっと一人なの? 長い人生、先のことを考えたらゾッとして……。

「それで、最近マチアプを始めたんです」
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