運命の恋は、スマホの外にありました
「人を見掛けで判断しちゃダメだよ」

 龍介さんが私を小突く真似をする。顔はニコニコしているけど、気を悪くさせちゃったよね。

「そうですね。ごめんなさい」

「いやいや、謝るほどのことではないさ。ゴージャスなデートをしそうって、別に悪い意味で言ったんじゃないだろうし」

「はい。女性をスマートにエスコートする、デキる男のイメージでした」

 正直に答えると、龍介さんは「そっか」と微笑んだ。

「俺がイイ男だと思ってくれて、ありがとう。期待に添えなくて、ごめんね」

「あ、そんな。龍介さんこそ、謝らないでくださいよ」

「謝りたくもなるよ。実は俺、女性に期待させちゃうタイプみたいでさ」

「?」

 それは一体、どういうことだろう?
 首を傾げると、龍介さんはメロンクリームソーダをくぴっと飲んでから言った。

「今まで出会った女性達からも、華恋ちゃんと同じことを言われたよ。どうやら俺は、夢のような恋をさせてくれるオトナな男だと思われてるらしい」

「あら……」

 ついさっき、私もそう思ったので、何も言えなくなってしまう。
 龍介さんはそんな私を見て、クスッと笑った。

「でも、実際は全然でさ。店なんて安居酒屋しか知らないし、そんなに女性慣れしてないから、細やかな気配りも出来ない。それで、デートの度に幻滅されてフラれる、の繰り返し。だから今、彼女はいないんだ。恋愛は難しいね」

「そうだったんですか」

 う〜ん。龍介さんみたいなエリートイケメンにも、恋の悩みってあるんだね。
 キラキラした人って、どうしてもその輝きに目を奪われるから、何もかも上手くいってるように見えちゃうもんなぁ。

「でも、龍介さんは大手企業の主任さんとして、お仕事頑張ってるじゃないですか。彼女がいなくたって、充分素敵ですよ」

 本音を言ったのだけど、龍介さんは「それは嬉しいけど、全然だよ」と首を横に振る。
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