月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
午後十時半を過ぎる前に、島民たちは解散となった。高台を撤去したり、炎を水で消したり、後片付けをする。
「桐杏、こっちへおいで」
演奏を終えて、桐杏は判大狗に呼ばれた。判大狗は丸太でできた長いすに座っている。桐杏は彼のとなりに座った。
「宴は何度体験してもいいものだな。だけど、桐杏が生まれて、桐杏が奏でるようになってからの宴は、それまでの宴よりずっと楽しいものだよ」
「判大狗さんにそう言ってもらえて、うれしい限りです」