月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「……き、桐杏です」


「桐杏、お前に召集礼状が出ている」


 召集、それは住んでいる家を離れてバロンに行かなければならないということだった。民は国からの命令を果たさなければならない。命令にそむけば、厳しい罰を与えられる。過去には連帯責任として一族に罰が与えられた事例もあった。場合によっては、死刑に処されることだってある。


「お前は皇子の第三夜伽(だいさんよとぎ)になることが決定した」


「第三夜伽? 夜伽(もの)のことか……!」


 それを聞いた阿村の顔は青ざめた。君火は衝撃のあまりその場にくずおれる。夜伽者の制度が知識としてある桐杏も、背筋が凍る思いとなった。なにも知らない璃社だけはぽかりとしている。
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