月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


 その夜。桐杏は先のとがった石で石壁を削って、一本の小さな線をつけた。毎日一本ずつ刻んでいけば、ここへ来て何日経つのか、正確に知ることができる。桐杏がここから逃げるつもりはない。けれども、そうせずにはいられなかった。
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