月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「それに、夜伽者である以上、こんなことを考えても仕方がないのに」


「そんなことはない。桐杏を医療班に回すよう、私から父に掛け合ってみるよ」


「ありがとうございます」


「私のけがを治してくれてありがとう。おいで。今夜は一緒に寝よう」


 寧丸は桐杏の手を取って立ち上がる。ふたりは夜伽のための部屋に戻り、同じ布団で共寝した。横たわるだけで、触れ合いは一切ない。寧丸への恐怖心は桐杏になく、むしろ女として満たされた思いとなる。家族以外の異性と過ごす初めての夜に、桐杏は今までにない感情をいだくのだった。
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