月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
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「ん……」
翌朝。桐杏は自然と目を覚ます。
「おはよう」
目の前には寧丸の顔があった。寧丸は自分の右手を枕として、頭を支えている。
「ね、寧丸さま!」
桐杏は寝たままの体勢で驚く。皇子の彼より寝ていた自分を、無礼に思う。
「桐杏の寝顔をずっと見ていても、飽きなかったよ」
寧丸は機嫌がよさそうに言う。彼の言動に桐杏の心はどきどきとする。自分の寝ている姿をどれくらい見られていたのかと思うと、恥ずかしくもあった。
昨夜は自分と同じ黒髪に見えていたが、夜が明けると、寧丸の髪の色は黒みをおびた茶色であることに気がつく。桐杏は島での生活しか知らない。この国には髪が真っ黒でない人間もいるのかと思わされる。