月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
「寧丸さま、その者たちに会って、夜伽者にするつもりはないと、説明してあげてください。その者たちは毎晩、いつ自分の番が来るのかと、不安で眠れないと思います。寧丸さまの優しい目をひと目見れば、信じるはずです」
「そうだな。私としたことが、そこまで頭が回らなかった。明日にでも、伝えておくとしよう」
桐杏はその返事にほっとする。他の夜伽者がどこのだれだかわからなくても、同じ立場として放っておけない。
「だって、私が関心あるのは、桐杏、そなただけだから」
寧丸は桐杏の手をぎゅっと握った。
「寧丸さま……」
桐杏の心はどきどきとする。ここでの桐杏は、権力者の欲望を満たすためだけの存在のはずだった。それは命を取られないだけの、家畜と同じ扱い。けれども、現実は皇帝の息子から同等に扱われている。そればかりか、彼に愛をささやかれていた。