月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
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一夜が明けて、桐杏は判大狗の家をたずねる。彼の体調はすっかりとよくなっていた。
「桐杏、今夜の宴でも、奏でておくれ」
今日は月にいちどの宴の日である。島はそのための準備でにぎやかだった。
午後八時。島民たちは広場に集まった。広場の中央にはりっぱな井桁が組んである。ひとりの男が火をつけると、島でいちばん背が高い男よりずっと高くて大きな炎となった。
男は頭に向こうはちまきをつけて、上半身を脱ぐのが宴での決まりだ。ある者は笛を吹き、またある者は太鼓を叩く。