政略結婚した顔も知らない夫に気づけば溺愛されていたようです~御曹司は甘く攻めて逃がさない~
「月城様、竹野様の代わりにお世話させていただきます。少し我慢してくださいね」

 彼は重そうな瞼を上げて私を確認し、小さく頷いた。

 その様子を見てホッとする。どうにか反応はできるみたいだ。

 ベッドまで歩く元気がなさそうなので、クッションを整えて枕にして寝てもらう。

「少し冷たいので我慢してください」

 額に氷嚢を当てると冷たかったのか、びくっとしたけれどすぐに受け入れた。

 その様子を見て、確認する元気もないんだろうなと濡れたおしぼりで汗を拭う。

 熱は計っていないけれど、様子から判断してかなり苦しそうだ。

 確認するために頬に触れると、気持ちよさそうに表情を緩ませた。

 しばらくすれば薬が効いて、少しは楽になると思うんだけど。

 早くよくなりますように。

 絞りなおしたおしぼりで、彼の汗を拭きながらそう祈った。

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