クールな秋くんと絆される咲菜ちゃん
そして、電車が来て………

「咲菜、こっち」
「うん…」

満員電車内で、小柄な咲菜は押し潰されそうになっている。
秋鷹になんとかしがみつき、バランスを保っていた。

「多いね…」

「うん。でももう少しだから」

「うん…
秋くんの美しい顔を見ながら、耐えるね」

「は?」

「秋くん見てると、落ち着くから」

「あ、そう。別に良いけど」

「イケメンだし、大好きな人だし」

「それは、どうも」

「秋くんも、私のこと見てて良いよ」

「見てるよ」

「まぁ…私は全く美人じゃないけど(笑)」

「咲菜は可愛いよ」

「ほんと?」

「うん」

「嬉しい!ありがとう!」


駅に着き、降りて会場に向かう。
しかし「ただいま大変混雑してますので、人数制限をかけてます。なので整理券を…」と言われ、整理券を渡された二人。

「まだ、行けないんだね…」

「しょうがないよ。
でも昼から入れるみたいだから、ゆっくりして鍋焼きうどん食べて行こうよ」

「うん」

「………ほら、咲菜!
今日行けないんじゃないんだからさ」

「うん、そうだね!
…………あ、じゃあ!秋くんの服買いに行こう?」

「なんで俺?」

「だって秋くん、普段あんまり服買わないでしょ?」

「あんま興味ないし、今ある分で上手く着こなすからいい」

「うーん…
でも、コーディネートしたい」

「いらない」

「でも行こ?
見てたら、欲しいのが見つかるかも?」

「咲菜の服買いに行けば良いじゃん?」

「私は、今日グッズを買うから。
服買う余裕ないの…」

「じゃあ、俺が買ってあげる」

「………ううん、そんなの悪い…」

「どうして?」

「生活費だってほとんど出してもらってるのに、そんなことまで甘えられない」

「俺が良いって言ってるんだから良いじゃん」

「………うん…」

「ね?行こ?」

秋鷹に手を引かれ、咲菜は歩き出した。


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