ずっと片思いしていたエリート外科医の溺愛は妄想と違いすぎました。
ぎくり。と咲良の心臓が止まる。すぐに鼓動は再び動き出すが、全身が石のように固まって動かなくなった。
「どうなの? 俺なの? あ、怒ったりはしてないから安心して」
「……は、はい……先輩、です……」
(どうしようどうしようバレたバレた)
最悪の状態。頭を抱える咲良はどうしたものかと思考を巡らせるが、どう対応して良いか全くわからないでいる。
「あ、あ……」
「怖がらなくていいよ。で、読んだんだけど。誘って来た割には初心じゃないか?」
「へ……?」
「だって手をつないだりするくらいじゃん。とっても健全と言うか」
突如として視界のほぼすべてを彼の色気めいた顔が占領する。顔の下、首筋からは甘くて濃厚な香りが漂い、吸っただけで頭がくらくらした。
甘い空気に溺れていきそうになるが、すぐに初心さと理性、そして妄想とは違う部分が咲良の意識を引き戻す。
「まっ待ってください……!」
「何を?」
首を傾げる秀介の顔を見ただけで、咲良の胸の奥がぎゅっと締まる。このままでは唇同士が触れてしまう。察した彼女は、目を閉じて喉奥から声を引っ張り上げた。
「あ、あのっ……えっちなのはいけないと思いますっ!」
肩を上下に動かし、息を整える。力を込めて瞼を閉じているせいで、視界は真っ暗。それでも秀介がすぐ目の前にいるのは十分知覚している。
「へえ、えっちなのはいけない、ねえ……」
「うっ……でっでも、覚えてなくて」
「うそつき」
にっこりと秀介が笑う。その笑顔に咲良が眼を奪われた途端彼女の唇はすぐさまふさがれた。
「んっ?!」
「どうなの? 俺なの? あ、怒ったりはしてないから安心して」
「……は、はい……先輩、です……」
(どうしようどうしようバレたバレた)
最悪の状態。頭を抱える咲良はどうしたものかと思考を巡らせるが、どう対応して良いか全くわからないでいる。
「あ、あ……」
「怖がらなくていいよ。で、読んだんだけど。誘って来た割には初心じゃないか?」
「へ……?」
「だって手をつないだりするくらいじゃん。とっても健全と言うか」
突如として視界のほぼすべてを彼の色気めいた顔が占領する。顔の下、首筋からは甘くて濃厚な香りが漂い、吸っただけで頭がくらくらした。
甘い空気に溺れていきそうになるが、すぐに初心さと理性、そして妄想とは違う部分が咲良の意識を引き戻す。
「まっ待ってください……!」
「何を?」
首を傾げる秀介の顔を見ただけで、咲良の胸の奥がぎゅっと締まる。このままでは唇同士が触れてしまう。察した彼女は、目を閉じて喉奥から声を引っ張り上げた。
「あ、あのっ……えっちなのはいけないと思いますっ!」
肩を上下に動かし、息を整える。力を込めて瞼を閉じているせいで、視界は真っ暗。それでも秀介がすぐ目の前にいるのは十分知覚している。
「へえ、えっちなのはいけない、ねえ……」
「うっ……でっでも、覚えてなくて」
「うそつき」
にっこりと秀介が笑う。その笑顔に咲良が眼を奪われた途端彼女の唇はすぐさまふさがれた。
「んっ?!」