ずっと片思いしていたエリート外科医の溺愛は妄想と違いすぎました。
 お風呂に入ると言う意味が何を示しているのか瞬時に理解してしまったせいで、咲良の全身は羞恥心の炎に焼き尽くされそうになる。

「おいおい、そんなに恥ずかしい事か? 子供の頃はじいさんとかと一緒にお風呂入ったりしなかったのか?」
「でもそれとは訳が違うじゃないですか……! それに」
「それに?」

 端正な顔立ちが視界すべてを覆い尽くす。ひゃああっ! と情けない悲鳴を上げるので精いっぱいだ。

「ほら、正直に言わないと……もっと恥ずかしい事するぞ?」
「うぅ……! 先輩、お風呂でっそのっする、つもりでしょ?」

 言葉にしただけで更に悶えが止まらなくなる。対照的に秀介は余裕のある微笑みを見せていた。

「そうだよ。ご名答~」
「やっぱり!」
「だめ? だめって言われてもするけど」
「拒否権ないんですね……」

 いやではないので首を小さく縦に振ると、秀介から小さくキスを落とされた。

「だって寂しかっただろ? その分俺が埋めてやるから」
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