私の生きる理由 ~君の鼓動に、永遠の愛を誓って~
 カフェを出た澪音は、迎えの車の中で深くシートに沈み込んでいた。
 胸の鼓動が痛いほど早い。
 それは心臓病のせいではない。桜介への想いと、園子への激しい怒りが混ざり合っていたからだ。

「…ソノコ・ミシェルナ」

 澪音は低い声で呟く。
 あの女は、桜介を苦しめるだけではない。
 六年前、澪音の家族を奪ったひき逃げ犯――その特徴と、園子の経歴が奇妙に一致することは、調査ですでに知っていた。

(あの方は、まだ何も知らない。……彼を守らなくては)

 澪音は眼鏡を外し、涙を拭った。
 その瞳に、強い決意の光が宿る。

「…おじ様。力を、貸していただけますか」

 スマホを取り出し、天城グループ総帥・天城京太郎へと発信ボタンを押す。
 ただの清掃員である自分を捨て、桜介のために戦う覚悟を決めた瞬間だった。

< 13 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop