私の生きる理由 ~君の鼓動に、永遠の愛を誓って~

「…っ!?」
 桜介が息を呑む。

「私は…本当なら、今頃この世には存在しませんでした。心臓が悪く、余命宣告を受けていましたから」

 澪音は胸の傷に手を当てた。

「あなたが奪った四人の命。その中の一人、緑川京華様が、私に命を紡いでくださったのです」

 会場が水を打ったように静まり返る。
 すべての点と線が繋がった。
 なぜ彼女が緑川グローバルにいたのか。
 なぜ桜介を避けていたのか。
 そして、なぜ今、ここに立っているのか。

「だから私は決めました。あなたに最大の復讐をしようと。…殺してしまおうかとも思いました。でも、それでは誰も救われない」

 澪音は涙をこらえ、凛と言い放った。

「あなたには、生きたまま償っていただきます。冷たい鉄格子の向こうで、奪った命の重さを一生かけて感じなさい!」

 遠くからサイレンの音が近づいてくる。
 警察官たちが会場になだれ込み、園子とハイナカール、そして楠箕田篤を取り囲む。

「いやぁぁっ!離して!私は幸せになりたかっただけなのに!誰かに愛してほしかっただけなのにぃぃ!!」

 園子の絶叫が遠ざかっていく。
 愛を履き違え、金を崇拝した哀れな女の末路だった。

 園子たちが連行された後、澪音は深々と頭を下げた。

「…私の個人的な事情で、皆様の楽しい時間を台無しにしてしまいました。心よりお詫び申し上げます。……このパーティーの費用はすべて天城グループが負担し、改めて仕切り直させていただきます」

 会場からは、非難ではなく、割れんばかりの拍手が巻き起こった。

 その拍手の波の中、澪音は桜介の方を見ることなく、SPに守られて足早に去っていく。

 その背中は、役目を終えて消えゆく天使のように儚かった。

「…待ってくれ!」

 桜介は我に返り、彼女を追いかけた。
 今度こそ、絶対に逃がさない。
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