不器用なきみは、涙色の明日を描いていく。
「はぁ……」

 放課後。私は一人で教室に残って、今日の昼休みのことを反省していた。

『赤のペンキを持ってきて』と頼まれたのに、ちゃんと聞き取れずに青のペンキを持ってきてしまったこと。

 中学最後の文化祭に向けて真剣に向き合ってる佐伯さんに、『たぶん、来年もあると思うけど……?』なんてとんちんかんなことを言ってしまって、更に怒らせてしまったこと。

『まったく、もっとしっかりしてよね』

 佐伯さんの呆れた声が頭の中によみがえって、胸の奥がきゅっと締め付けられたみたいに痛くなった。

「あれ? 遥?」

 私以外誰もいないはずの教室に、突然誰かの声が響く。

 ハッとして聞こえた方に顔を向けると、湊がドアの所に立っていた。

< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop