不器用なきみは、涙色の明日を描いていく。
「まだ残ってたんだ。何かあったのか?」

「えっと、それは……」

「今日の佐伯とのこと、考えてたのか?」

 ……やっぱり湊にはわかるんだ。

 心の内をずばりと言い当てられて、こくんとうなずく。

 すると、湊が教室の中に入ってきて、私の隣の席に腰を下ろした。

「聞いて欲しいことがあるなら聞くけど」

 透き通った瞳でまっすぐに私を見つめて、穏やかな声でそう言ってくれる。

 そんな湊が隣にいてくれるだけで、なんだか少し安心できた。

 私は少し間をおいてから、ぽつぽつと話し出した。

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