不器用なきみは、涙色の明日を描いていく。
「ありがとう、湊。いつも助けてくれて……」

「気にすんなよ。ところで、実は遥に頼みごとがあるんだけどさ」

「頼みごと?」

「ああ。文化祭のときに校内を歩いて宣伝するための、手持ち看板を作るんだけどさ……」

 湊はそう言いながら、私に真新しい大きな紙を2枚渡してきた。

 どちらもすでに『回』の字みたいに、一回り小さな四角が灰色で薄く描かれている。

「この外側の枠に模様を描いて欲しいんだ」

 湊が灰色の四角の周囲を囲う枠を指差した。

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