不器用なきみは、涙色の明日を描いていく。
「枠に……、模様?」

「そう。線の内側にはみ出さないように描いて欲しい。模様や色は遥の好きなようにしていいからさ」

「本当に?」

 さっきみたいに話の聞き間違いからトラブルになるのを避けたくて、湊に念押しするようにたずねる。

「ああ。遥が描いたものなら、きっと見てくれる人たちも興味を持ってくれると思うから。あとこれ、遥が困らないように一緒に渡しておくよ」

 湊はそう言うなり、私に1枚のメモ用紙を渡してくれた。

 そこには今さっき湊が私に頼んだことと、【完成したら俺に渡して! 湊】というメッセージが、綺麗な手書きの字で書いてあった。

 きっと、騒がしい場所で耳から情報を聞き取ることが苦手な私のために、わざわざわかりやすいメモを用意してくれたんだろうな。

「わかった。私、頑張ってみる!」

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