この空の青を、君は知らない
病室の扉を開ける。
天音はベッドに座って、何かを見ていた。
けれど、僕に気づいた瞬間、さっと棚の中にしまう。
「なに?それ」
「え?」
少しだけ目を逸らす。
「秘密……」
それから少し間が空いて続ける。
「……私の宝物」
その声はどこか誇らしげだった。
その笑顔に釣られて、僕も笑った。
「そっか」
「いつか、遥人にも見せてあげる」
その言葉に、軽く頷く。
「うん、楽しみにしてるよ」
——いつか。
その言葉を、僕たちは何度も口にしてきた。
終わりなんて、来ないみたいに。