月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
 エミリアは慌てて微笑みを作る。

 「……いいえ。夜空が綺麗だと思っただけです」

 彼は目を細めた。

 「そうか。春は、人の心も解ける季節だからな」

 その何気ない言葉が心を揺らす。

 (いつか、この想いをレオナール様に伝えたい)

 エミリアは、祝宴が終わってミカエル領へ帰ったら、ありのままの気持ちを伝えようと心に決めた。
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