月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
その所作には昼間と変わらぬ気品があり、しかし、そこに漂う気配はべつのもの。威厳と静謐がひとつに溶けた、夜の王のような存在感だ。
「真の姿で顔を合わせるのは久しぶりですね、兄上」
よく通る声が広間を満たした瞬間、ざわめきが爆ぜた。
「殿下……?」
「あの方が、呪われた第二王子……?」
「そんなはずが……昼間はあんなにも老いて――」
誰もが口々に驚きを漏らす。
ルーベンの顔から血の気が引いていくのがわかった。そしてついにルーベンが声を絞り出す。
「レオナール……なのか」
その名が広間中に響いた。まるで呪文のように空気を震わせる。
青年――レオナールは、静かに顔を上げる。月光のような瞳が、王を真っすぐに見据えていた。
「はい。昼には老い、夜には元の姿に」
言葉は穏やかだが、凛とした力が宿っている。
「そ、そんなはずは……!」
ルーベンの喉が音を立てる。
王妃バネッサが隣で扇を持つ手を止め、硬直していた。
「そんなはず、とはどういうことですか?」
「真の姿で顔を合わせるのは久しぶりですね、兄上」
よく通る声が広間を満たした瞬間、ざわめきが爆ぜた。
「殿下……?」
「あの方が、呪われた第二王子……?」
「そんなはずが……昼間はあんなにも老いて――」
誰もが口々に驚きを漏らす。
ルーベンの顔から血の気が引いていくのがわかった。そしてついにルーベンが声を絞り出す。
「レオナール……なのか」
その名が広間中に響いた。まるで呪文のように空気を震わせる。
青年――レオナールは、静かに顔を上げる。月光のような瞳が、王を真っすぐに見据えていた。
「はい。昼には老い、夜には元の姿に」
言葉は穏やかだが、凛とした力が宿っている。
「そ、そんなはずは……!」
ルーベンの喉が音を立てる。
王妃バネッサが隣で扇を持つ手を止め、硬直していた。
「そんなはず、とはどういうことですか?」