月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
カーリンの声で我に返る。
「あ、いえ、なんでもないわ」
小さく微笑み返すが、胸の奥では警鐘が鳴っていた。
治療を終えて外に出ると、空は薄く霞みがかっていた。朝の清々しい青ではない。どこか、灰を溶かしたような色だ。
エミリアは胸の前で手を組み、遠くの山並みに目をやった。
(レオナール様、どうか、ご無事で……)
その祈りが届けられるかのように、風が頬を撫でた。
「あ、いえ、なんでもないわ」
小さく微笑み返すが、胸の奥では警鐘が鳴っていた。
治療を終えて外に出ると、空は薄く霞みがかっていた。朝の清々しい青ではない。どこか、灰を溶かしたような色だ。
エミリアは胸の前で手を組み、遠くの山並みに目をやった。
(レオナール様、どうか、ご無事で……)
その祈りが届けられるかのように、風が頬を撫でた。