月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
「ち、違う、レオナール。殺すつもりなど――ただ、力を封じようとしただけだった」
「封じる?」
レオナールの声が、冷えた刃のように静まる。
「呪いであのような姿にされ、北の果てに幽閉同然。私は殺されたも同じだった。それを〝封じる〟と言うのか」
誰も言葉を挟めない。エミリアは胸を握りつぶされたように、呼吸さえ苦しい。
バネッサの笑いが、その静寂を裂く。
「ああ、いいわ。やっぱり素敵ね、兄弟の断罪劇って。だからこそ、この場所を選んだの。力の反転儀式には〝血の因果〟が必要なのよ」
バネッサは腕を広げ、魔法陣の中心へと歩み出た。その足音が一歩ごとに響き、瘴気が再びざわめく。
「レオナールの呪いは、もともとこの場所で編まれた〝血の魔法〟。だからここでなら、その構造を逆にして聖女の力を奪えるのよ!」
ルーベンの顔色がさらに悪くなった。
「バネッサ、やめろ! この術は扱いを誤れば、お前の命が――!」
「知っているわ!」
叫びながら、バネッサの身体が闇の光に包まれる。瘴気が渦を巻き、魔法陣の中心で黒い火花が爆ぜた。
エリオットがエミリアに駆け寄る。
「エミリア様、離れてください!」
「封じる?」
レオナールの声が、冷えた刃のように静まる。
「呪いであのような姿にされ、北の果てに幽閉同然。私は殺されたも同じだった。それを〝封じる〟と言うのか」
誰も言葉を挟めない。エミリアは胸を握りつぶされたように、呼吸さえ苦しい。
バネッサの笑いが、その静寂を裂く。
「ああ、いいわ。やっぱり素敵ね、兄弟の断罪劇って。だからこそ、この場所を選んだの。力の反転儀式には〝血の因果〟が必要なのよ」
バネッサは腕を広げ、魔法陣の中心へと歩み出た。その足音が一歩ごとに響き、瘴気が再びざわめく。
「レオナールの呪いは、もともとこの場所で編まれた〝血の魔法〟。だからここでなら、その構造を逆にして聖女の力を奪えるのよ!」
ルーベンの顔色がさらに悪くなった。
「バネッサ、やめろ! この術は扱いを誤れば、お前の命が――!」
「知っているわ!」
叫びながら、バネッサの身体が闇の光に包まれる。瘴気が渦を巻き、魔法陣の中心で黒い火花が爆ぜた。
エリオットがエミリアに駆け寄る。
「エミリア様、離れてください!」