月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
(……レオナール様が、モルテン王国の王に?)
第二王子として生を受けた彼なら、そのような話が出てもおかしくない話ではある。
しかしエミリアは、その可能性が頭からすっかり抜けていた。この地での生活に慣れきっていたせいか。レオナールは、前国王アルフォンスの血を受け継いでいるのだ。
突然の話に驚くエミリアに反して、レオナールは動揺の色を見せない。ただ、静かに事実を受け止めているように見えた。
「……兄、ルーベンの代わりに、私が王位を預かるというわけか」
「預かるというより、正式な継承となる見込だ。国を導く者が不在のままでは混乱が広がるばかりだからね」
エリオットはそこで表情を曇らせた。
「ただし、その前に大きな課題がある」
「結界のことね?」
ピンときたエミリアが先に口を開くと、エリオットは真剣な面持ちでうなずいた。
「陛下が神殿との関係を断ってからというもの、各地の結界が弱まっていることは殿下もすでにご承知のこと。王都を守る大結界も、いつ崩れてもおかしくない状態だ」
レオナールは眉根を寄せた。
「もし崩れれば、王都は闇に呑まれる」
「だからこそ――」
第二王子として生を受けた彼なら、そのような話が出てもおかしくない話ではある。
しかしエミリアは、その可能性が頭からすっかり抜けていた。この地での生活に慣れきっていたせいか。レオナールは、前国王アルフォンスの血を受け継いでいるのだ。
突然の話に驚くエミリアに反して、レオナールは動揺の色を見せない。ただ、静かに事実を受け止めているように見えた。
「……兄、ルーベンの代わりに、私が王位を預かるというわけか」
「預かるというより、正式な継承となる見込だ。国を導く者が不在のままでは混乱が広がるばかりだからね」
エリオットはそこで表情を曇らせた。
「ただし、その前に大きな課題がある」
「結界のことね?」
ピンときたエミリアが先に口を開くと、エリオットは真剣な面持ちでうなずいた。
「陛下が神殿との関係を断ってからというもの、各地の結界が弱まっていることは殿下もすでにご承知のこと。王都を守る大結界も、いつ崩れてもおかしくない状態だ」
レオナールは眉根を寄せた。
「もし崩れれば、王都は闇に呑まれる」
「だからこそ――」