月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
 エリオットは深く頭を下げた。

 「どうか、おふたりの力を貸していただきたい。王家の血を引く殿下と、聖女であるエミリア様。おふたりの力失くして、結界の修復は不可能だ」

 レオナールを見ると、その瞳に迷いはなく、強い光が宿っていた。

 「王位継承についてはすぐに返事はできないが、結界の修復はすぐにでも向かおう」

 彼の言葉にエミリアも強くうなずく。

 「私の力でよかったら、惜しみなく注ぎます」

 ふたりの答えに、エリオットの肩から緊張が抜けていく。

 「どうか、よろしくお願いします」

 レオナールは、深く頭を下げたエリオットと固く握手を交わした。
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