月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
 「……魔法騎士団を動かせ」

 低く命じると、近衛長が深く頭を垂れた。

 「第一・第二小隊を郊外へ。第三小隊は王都防衛を強化せよ。民を騒がせるな」
 「はっ、直ちに」

 近衛長が去ると、再び静寂が訪れた。
 バネッサが、微笑を絶やさぬまま囁く。

 「ご安心を。すぐに片がつきますわ。魔獣ごとき、陛下の時代にふさわしくありません」

 ルーベンはうなずいたものの、胸の奥のざらつきは拭えなかった。
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