月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
「気にするな。それで遅くまでどうしたのだ」
「王都に着ていく服のことで悩んでいたのです」
「なるほど。だからこうして……」
レオナールは視線をベッドに向け、並べられた三着のドレスを見た。
衣装をひとつひとつ手に取り、指先で布の質をたしかめる。その仕草があまりにも優雅で、エミリアはつい見惚れてしまう。
「どれもキミに似合うが」
レオナールはふと、淡い桃色のドレスを手に取った。
「これは……王都にいた頃のものか?」
「はい。かつて陛下の御前に出たときに着たものです」
「そうか」
短い沈黙が落ちる。レオナールの瞳に一瞬、影がよぎったように見えた。
(陛下のことなんて口にするべきじゃなかったのかもしれないわ)
形ばかりとはいえ、現在のエミリアはレオナールの妻である。謝ろうと口を開きかけたそのとき。
「新しいドレスを仕立てよう」
「え……?」
「祝いの宴に出るなら、今のキミを映すものがいい。過去ではなく、今この地で生きるエミリアとして」
そう言ってレオナールは微笑んだ。
「王都に着ていく服のことで悩んでいたのです」
「なるほど。だからこうして……」
レオナールは視線をベッドに向け、並べられた三着のドレスを見た。
衣装をひとつひとつ手に取り、指先で布の質をたしかめる。その仕草があまりにも優雅で、エミリアはつい見惚れてしまう。
「どれもキミに似合うが」
レオナールはふと、淡い桃色のドレスを手に取った。
「これは……王都にいた頃のものか?」
「はい。かつて陛下の御前に出たときに着たものです」
「そうか」
短い沈黙が落ちる。レオナールの瞳に一瞬、影がよぎったように見えた。
(陛下のことなんて口にするべきじゃなかったのかもしれないわ)
形ばかりとはいえ、現在のエミリアはレオナールの妻である。謝ろうと口を開きかけたそのとき。
「新しいドレスを仕立てよう」
「え……?」
「祝いの宴に出るなら、今のキミを映すものがいい。過去ではなく、今この地で生きるエミリアとして」
そう言ってレオナールは微笑んだ。