月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
 「シルバ……あなた、そんなことができたの?」

 困惑と感嘆が入り混じった声に、シルバは得意げに小さく鳴いた。
 レオナールはその光景を見て、目を細めた。

 「どうやら、決意は固いようだな」
 「はい……もう、こうなってしまっては止められませんね」

 エミリアが小さく笑うと、レオナールも苦笑を浮かべた。
 こうして銀の子犬のようになったシルバを連れ、王都へ向けて旅立つことになった。
 やがて御者が手綱を鳴らす。馬車の扉が閉まり、いよいよ馬は歩を進め、ゆっくりと城門をくぐった。
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