あなたとは合わないと思っていたけれど
英二は武琉はその後二言三言交わしてから、「挨拶回りをするのでそろそろ失礼します」と会釈をしてその場を離れていった。
「武琉さん手が」
香澄が指摘すると武琉ははっとしたように自分の腕を見て、すぐにひっこめた。
「すまない、うっかりしていた」
「やっぱりそうだと思った」
香澄が苦笑いをすると、武琉は複雑そうな表情を浮かべた。
少しの沈黙を置いてから口を開く。
「……彼とは久しぶりに会ったのか?」
「うん。高校卒業して以来だから、もう十年以上経つのかな」
「そうか。それでも気まずさは感じなかった。よほど仲が良かったんだな。もしかして……」
武琉が珍しく言葉を濁した。
「当時から遠慮がない気さくな関係だったから、久しぶりでもあまり壁がなく見えるのかも」
「……そうだな」
武琉はどこか気まずそうな表情でそう言う。何か言いたそうにしていたが、新たにやって来た知人に声をかけられたので会話はそこで終わってしまった。
(武琉さん、なんだかいつもと様子が違うような……)
彼の態度に違和感があり気になる。
「私事ですが先日結婚しました。妻の香澄です」
しかし初対面の相手との会話で神経を張り巡らせている内に、違和感は緊張感に上書きされ消えてなくなっていた。
しばらくすると義父の周りの人が少なくなったので武琉と共に義両親の元に向かう。義父はすぐに気づき嬉しそうに目を細めた。
「武琉さん手が」
香澄が指摘すると武琉ははっとしたように自分の腕を見て、すぐにひっこめた。
「すまない、うっかりしていた」
「やっぱりそうだと思った」
香澄が苦笑いをすると、武琉は複雑そうな表情を浮かべた。
少しの沈黙を置いてから口を開く。
「……彼とは久しぶりに会ったのか?」
「うん。高校卒業して以来だから、もう十年以上経つのかな」
「そうか。それでも気まずさは感じなかった。よほど仲が良かったんだな。もしかして……」
武琉が珍しく言葉を濁した。
「当時から遠慮がない気さくな関係だったから、久しぶりでもあまり壁がなく見えるのかも」
「……そうだな」
武琉はどこか気まずそうな表情でそう言う。何か言いたそうにしていたが、新たにやって来た知人に声をかけられたので会話はそこで終わってしまった。
(武琉さん、なんだかいつもと様子が違うような……)
彼の態度に違和感があり気になる。
「私事ですが先日結婚しました。妻の香澄です」
しかし初対面の相手との会話で神経を張り巡らせている内に、違和感は緊張感に上書きされ消えてなくなっていた。
しばらくすると義父の周りの人が少なくなったので武琉と共に義両親の元に向かう。義父はすぐに気づき嬉しそうに目を細めた。