あなたとは合わないと思っていたけれど
「香澄さん、こちらは私の友人たちなの。これから顔を合わす機会が増えるから覚えておいてね」

 挨拶を終えると会話が始まる。知らない話題が多いが、香澄は控えめな態度で義母の隣に控えて、空になったグラスを片付けてお代わりをウエイターに頼むなど、細々と動いていた。

 そのおかげか義母の友人たちに好感を持ってもらえたようだった。

「天谷さん、よいお嬢さんをお嫁さんにもらえたじゃない! 羨ましいわ」
「そうね。急な結婚だったけど、香澄さんが良い人でよかった。私も安心しているのよ」

 義母もまんざらではない様子だ。

「恐縮です」

 香澄は遠慮がちに微笑んだ。

 義母の友人が話を続ける。

「それにしても武琉君が結婚するなんてね」
「本当に。一生独身かと思ってたわ」

 どうやら義母の友人たちにまで、武琉の独身主義は知れ渡っていたらしい。

(家族以外の前でも、かなりきっぱりと断っていたのかな)

 香澄は会話を聞きながら、義母たちのワインを追加した。

「あら、ありがとう。香澄さんは本当に気が利くわね。結果として早織ちゃんよりよかったわね」

 義母の友人のひとりがそう言った次の瞬間、気まずい空気が漂った。

 皆が義母と香澄の顔を、交互に気まずそうに見ている。

「あ、あの。ごめんなさいね。ついうっかり失言してしまったわ。でもそんな大したことじゃないのよ」
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