あなたとは合わないと思っていたけれど
 濃密な気配が漂う中、武琉がそっと体を離し囁いた。

「香澄、今夜抱きたい」

 その直接的な誘いに、香澄の体は震え、頬はかっと熱を持つ。

 それでも魅惑的な誘いを断ることなんて出来なかった。

「……はい」

 武琉は香澄をベッドに運ぶと、隠していた情熱をぶつけるように香澄を抱いた。


 翌日の朝。香澄は気怠い体を無理やり起こした。

「おはよう」

 途端に武琉に抱きしめられてキスをされる。

 昨夜の濃厚な行為が脳裏に蘇り、香澄はたちまち真っ赤になった。

 そんな香澄を武琉は愛しそうに見つめる。

「疲れてない?」
「なんとか大丈夫」
「もっとゆっくりさせてあげたいけど、そろそろ時間だ」

 武琉は甲斐甲斐しく香澄が起きるのを手伝おうとする。

「ありがとう」
「バスルームにお湯を準備しておいた。疲れが取れるから入っておいで」
「うん」

 武琉はベッドから降りる香澄を、支えようとする。

 香澄は照れて頬を染め、武琉は幸せそうに微笑んだ。

 漂う雰囲気は甘く、恋人を溺愛する男の姿がそこにあった。
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