あなたとは合わないと思っていたけれど
 優しくしてなんてつい言いそうになったけれど、言葉にしなかった。武琉の手はさっきからこれ以上ないほど優しいから。

 優しいキスが降りてくる。唇を話す合間に、武琉が囁く。

「俺にとって一番は仕事だった。他に大切なものは手にできないと思っていた。でも今は香澄と離れることは考えられない。俺の全てをかけて幸せにしたい」

 真摯なその言葉に、香澄の胸は熱くなった。

「……ありがとう。私も武琉さんを幸せにしたい。だからふたりで幸せになろう」
「ああ……そうだな。約束する」

 武琉の唇が香澄の目元から頬に滑り、首筋に下り、同時に服のボタンが外されていく。

 香澄はそっと目を閉じた。

 鎖骨の周りを武琉の唇がなぞっていく。その度に香澄の閉じた瞼が切なく震えた。

 何も身に付けていない肌に触れられる度に、香澄は深い陶酔感に溺れて、何度も声を上げた。

 すっかり解けた体に、武琉のものが押し入った。

 武琉は香澄の耳元で何度も愛を囁いた。

「俺が愛してるのは香澄だけだ。何があっても変わらない」

 信じてほしい、武琉が真摯にそう言った。

 その夜、香澄の不安は解けてなくなり、ふたりは本当の夫婦になったのだった。
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